DX情報
公開日:2026.6.19
【無料配布】API知識ゼロでOK。無料Geminiで動く「有料級GA4 WEB検索自社分析アプリ」を開発しました

Webサイトのデータ分析は専門的で難しく、日々の業務に活かしきれていない―そんな悩みを抱える製造業のいち経営者である私でも、最新の無料Geminiを活用し、専門的なAPI知識なしでも使える「有料級のGA4自社分析アプリ」を完成させることができました。
複雑な数値を誰でも直感的に診断できるこのツールを、同じ悩みを抱える方にも使っていただきたい。そう考えてこのアプリを無料で配布することにしました。自社のWebサイトの現状を客観的に把握する第一歩として、役立てていただけたらと嬉しいです。
最下部にダウンロードURLがあります。スマホやタブレットでもWEB版のGeminiで実行可能です。
フジイ印刷の藤井です。私たち小さな町工場にとって、現場のリアルな「一次情報」を発信していくことは非常に重要であると感じています。
弊社でもDX特設サイト( https://dx.fujii-print.com)を立ち上げ、AIの手を借りながら自社の強みを発信する取り組みを進めてきました。
しかし、発信を続ける中で一つの大きな壁にぶつかりました。「せっかく発信した内容が、どれくらい成果に繋がっているのか」という効果検証(GA4やSearch Consoleの数値分析)が、あまりにも専門的で難しすぎたのです。
小規模な製造業には、高額なマーケターを雇う余裕はありません。かといって、私自身はITの専門家でもなければ、コードを書くプログラマーでもありません。数字の羅列を前に途方に暮れる日々が続いていました。
「専門知識がなくても、ボタン一つで自社サイトのデータを正しく抜き出し、AIがプロの基準でやさしく診断してくれる道具があれば、私たちのような町工場でも発信の取り組みを加速できるのではないか」
そう一念発起し、この度、一つのWebアプリケーションを開発しました。
今回はプログラミング素人の私が、Geminiの生成AIと試行錯誤した経緯をお話をします。

開発の経緯:プログラマーではない私が、Geminiの「Canvas」で挑んだ壁
ITの素人である私が今回、アプリ開発まで漕ぎ着けることができたのは、Geminiの「Canvas」という最新のAI開発環境に出会ったおかげです。
画面上でAIとまるでベテランプログラマーと会話するように対話を重ね、コードをその場で修正・拡張していくシステムは、私のようなノンプログラマーにとってまさに魔法のようでした。
しかし、実際のデータと連携させるプログラミングは一筋縄ではいきません。Googleの厳格なセキュリティポリシーと複雑なAPI仕様を前に、開発は何度もストップしました。
「アクセスをブロック」という認証エラー:画面を丸ごとリダイレクトする古い方式では、Googleの最新の安全基準(OAuth 2.0ポリシー)に適合せず、接続を完全に遮断されてしまいました。
サブドメインとドメインプロパティの罠:弊社の特設サイトのようなサブドメインを解析する際、Search Console側の登録が「ドメインプロパティ」になっていると、APIは「権限なし(403エラー)」を返してきます。URLの末尾にスラッシュ / があるかないかだけでも通信がクラッシュするシビアな世界でした。
GA4 Data APIの複雑な制約:データの比較期間を一度に要求すると「ルール違反(400エラー)」になるなど、エラーが出るたびに専門用語をAIと翻訳し合う修正を繰り返しました。
試行錯誤の末にたどり着いた解決策
エラーが出るたびにAIへ改善方法を尋ねることを重ね、Canvas上で何度もコードの修正を行いました。
Playgroundトークン接続の採用:セキュリティ制限を確実に回避し、安全なアクセス鍵をペーストするだけでダイレクトに実データに繋がる動線を確保しました。
インテリジェント・マルチ接続エンジンの実装:入力されたURLからシステムが自動でドメインの構造を解析し、URLプレフィックスやドメインプロパティなど最大4パターンをバックグラウンドで総当たりテスト接続するオートリトライ機能を搭載しました。
期間別クエリの分割処理:APIの制約を回避するため、期間ごとのリクエストを完全にバラバラに並行処理させ、ブラウザのメモリ上で安全にマージする仕組みに改修しました。
別窓バッファ転写によるA4 PDF化:印刷時に真っ白に消えてしまいがちなグラフ(Chart.js)を、JavaScriptで瞬時に画像データへ変換し、A4縦型専用の美しい印刷CSSとともに別ウインドウへ転写する仕組みを構築しました。
こうして、プログラミングの知識がない私でも、最新AIのおかげで「不具合なく、100%実データだけで駆動する分析アプリ」を完成させることができたのです。
【無料配布と著作権についてのお願い】
このアプリには、私たちのような小さな会社でも迷わず使えるように、専門用語の隣にやさしい解説が自動で挿入される「初心者やさしいモード」や、レポートを前提に「次の一手」を具体的にAIと相談できる「双方向チャット相談機能」も盛り込みました。
生成されるレポートは、単なる数値の羅列ではなく、「検索インテント4分類(Know/Do/Go/Buyクエリ)」や「ファネルにおけるUXの摩擦分析」「ヒューリスティック評価」といった、Webアナリストが使う専門的なフレームワークを強制的に組み込むようAI(Gemini 2.5)への指示をチューニングしています。
こうして完成したアプリですが、私のように情報発信や営業に悩む製造業の皆様の微力ながらお役に立てればと思い、今回無料で配布することにしました。
これは他のバイブコーディングに取り組んでいる方もそうしているように、誰でも簡単に好きなアプリを開発できるからこそのオープンな新しい流れだと思っています。
ご利用にあたっての著作権についてのお願い
本アプリは皆様の業務改善のために無償でご提供するものですが、プログラムの著作権は弊社(フジイ印刷)に帰属しております。大変恐縮ですが、無断での二次配布、転売、商用サイトへの無断転載などは固くお断りいたします。 あくまで自社のWebサイト分析の用途として、お一人おひとりの手元で安全にご活用いただけますと幸いです。
一次情報の発信と成約をさらに加速させるために
今回開発したアプリは、ホームページの健康状態を正確に測る「体組織計」のようなものです。大切なのは、この計測データをもとに、小規模製造業の強みである「現場の一次情報」をいかに外へ発信し、営業成果(成約)に変えていくかという実践です。
最後に、私たちが自社の発信力を高めるために学び、実践している2つの大切なアプローチ(ソリューション)を情報共有としてご紹介させてください。
1. AIコンテンツファクトリー(発信の自動生産化)
製造業の現場には、お客様が本当に求めている「職人のこだわり」や「ニッチな加工ノウハウ」といった宝物(一次情報)が眠っています。しかし、これを文章にするのは時間がかかります。
そこで、現場での音声録音や短いメモ(一次情報)を吹き込むだけで、AIが数秒でプロレベルのブログ記事、SNS発信、メルマガへと自動変換してくれる仕組み、いわば「AIコンテンツファクトリー」の考え方を取り入れることで、発信のハードルは劇的に下がります。今回の分析アプリで悪い数値が見つかったら、このファクトリー化によって即座に改善発信を打つ、という超高速のPDCAが可能になります。

2. PSI VISION(統合型クラウドERP)
いくらデータを分析し、発信を強化しても、それを受け止める「現場の業務プロセス」や「原価管理」が整っていなければ、経営の利益には直結しません。
そこで私たちが開発したのが、中小製造業のためのオールインワン型クラウドERP『PSI VISION(サイビジョン)』です。
印刷業という現場を長年営んできた私たちが「本当に必要な機能だけ」を厳選し、販売・生産・在庫・原価・勤怠管理を一気通貫で統合しました。iPadを活用したシンプルな操作で現場の負荷を最小限に抑えつつ、製品ごと・部門ごとの「時間当たり付加価値」をリアルタイムで可視化します。
町工場の現場感覚を活かしながら、大手ERP並みの経営管理を実現する。今回の「Web診断アプリ」でサイトの現状を知った後は、ぜひこの『PSI VISION』で、貴社の業務と利益体質を根本から強化するサポートをさせていただければ幸いです。

おわりに
WebマーケティングやAIの活用は、決して大企業やIT企業だけのものではありません。むしろ、リアルなモノづくりを行っている私たち製造業こそが、AIという強力な相棒を得ることで、その発信力を何倍にも高められる時代が到来したのだと、今回の開発を通して強く実感しています。
ITの非開発者である私が作ったツールではありますが、皆様が自社のホームページの現状を客観的に見つめ直す、最初の一歩となれば嬉しい限りです。
また、Web分析によって見えてきた「お客様の反応」を、実際の受注や確実な利益へと結びつけていくには、現場の業務基盤を整えることも不可欠です。
もし、現場主導の効率化や経営管理にも関心がありましたら、私たちが手掛ける統合型クラウドERP『PSI VISION』もぜひ一度ご検討ください。
アプリの受け取り方法、あるいは現場の業務改善やデジタル活用についてご相談があれば、問い合わせフォームなどでご連絡ください。地道に現場を支える製造業の皆様を、同じ立場の仲間として心より応援しています。
【配布用利用ガイド(ご使用前にお読みください)】
https://docs.google.com/document/d/1rnjCoVsvZe-7lo_fm8znrRO2RrbgvBeTAAykxmsO_ao/edit?usp=sharing
【GA4サイト分析アプリ(AI & かんたんHP analysisレポート作成ツール)】
以下のドキュメントPDFを添付して、Geminiの3.5Flashで、canvas機能を指定して実行してください。パーソナライズが適用されると上手く動作しないことがありますので、パーソナライズせずに実行してください。
アプリの指示にしたがって設定値を入れていくと、分析レポートが作成されます。作成後のレポートにAIでキーワード分析などを行うこともできます。サブドメインにも対応しています。
Geminiのcanvas機能を思考モードを選択して、上記PDFファイルを添付して、右下の「↑」で実行します。

アプリが立ち上がったらGoogle Playgroundを別Windowで開いてstep1のinput scopesに「https://www.googleapis.com/auth/analytics.readonly https://www.googleapis.com/auth/webmasters.readonly」を入力して、Step 2画面に切り替わったら、青色「Exchange authorization code for tokens」ボタンをクリック。画面上の 「Access Token」(ya29. から始まる長い文字)をコピーし、下のトークン欄に貼り付け。



GA4のプロパティIDは以下のように確認します。
1. Googleアナリティクス管理画面を開く
2. 左下の「管理(歯車マーク)」をクリック
3. プロパティの列の上部にある「プロパティ設定」を選択
4. 右上に表示される「プロパティID: XXXXXX」(9桁の数字)をコピーします。

Search Console登録サイトURLの調べ方
1. サーチコンソール管理画面を開く
2. 左上のプロパティ選択欄をクリック
3. 該当のドメインやサブドメインURL(例: https://dx.fujii-print.com/)の表記をそのままコピーして貼り付けてください。
ドメインプロパティやサブドメインをお使いの場合
もしドメインプロパティ(ドメイン全体を1つのプロパティとして一括登録する形式)でサーチコンソールを設定している場合は、個別のサブドメインURLではなく、ドメインプロパティ用のフォーマットである sc-domain:fujii-print.com などをアプリのSearch ConsoleサイトURL欄に入力して実行してみてください。サブドメイン単体(例: https://dx.fujii-print.com/)は「URLプレフィックス」として別途登録されていない限りドメインプロパティ経由ではエラーになります。


サイトURLを入力したら、診断レポートを作成スタートボタンを押してレポートを作成してください。

レポートが生成されたら、「AIチャットで相談」ボタンを押すと、チャット形式でキーワード分析や改善提案などのAIのサポートを受けることができます。

エラーが出たら、エラー部分をcanvasのチャットにコピペして修正してもらってください。サブドメインだけに限定する場合にエラーが発生することがあります。

使い方の解説は以上です。
以下はレポートの抜粋です。指標トレンド、インテント分析、改善アクションプランなど多岐にわたる分析レポートがPDFで出力可能です。




この記事の監修者
藤井 聡|代表取締役
業務印刷の未来を探求し、中小製造業向けのALL IN ONEクラウドERPやAIO向けLP制作ツールをリリース。2019年に社内の事務職ゼロを達成し、クラウド実践大賞岡山大会で発表。京セラの稲盛和夫氏とゲーム作家の米光一成氏の手法を取り入れた会社の仕組みづくりを推進中。
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